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最近の判例(倒産法)

◎最高裁平成28年4月28日第一小法廷判決(判タ1426-32)

Aが保険金受取人をYとする生命保険契約を締結していたところ,Yについて破産手続が開始され,その後,Aが死亡した場合,その死亡保険金請求権は,破産法34条2項にいう「破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権」に該当し,Yの破産財団に属する。

 

▽福岡地裁平成25年10月28日判決(判時2211-87)

 登記官が不動産登記法67条2項により職権でなした登記の更正は,破産法164条1項の「権利の・・・変更をもって第三者に対抗するために必要な行為」に該当せず,対抗要件否認の対象とはならない。

 

▽東京地判H25.2.6(判時2177.72)

 破産申立を受任した弁護士は,債務者の財産が破産管財人に引き継がれるまでの間,財産が散逸することのないよう必要な措置を採るべき法的義務を負い,また,正式な委任会社締結前であっても,依頼者の相談内容に応じた善管注意義務を負うとした。

 

〇東京高裁平成24年9月12日決定(判時2172-44)【確定】

 破産手続開始決定前に成立した保険契約について,同決定後に保険事故が発生した場合における保険金請求権の帰属について(長男の死亡により生命保険金等2400万円が支払われた),決定は,「破産手続開始決定前に成立した保険契約に基づく抽象的保険金請求権は,「破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権」(破産法34条2項)として,破産財団に帰属するとした。

 

◎最高裁平成24年5月28日第2小法廷判決(判時2156・46)

 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合,①保証人が取得する求償権は破産債権である,②保証人が取得する求償権を自働債権とし,主たる債務者(破産者)が保証人に対して有する受働債権とする相殺は破産法72条1項1号の類推適用により許されない。

 

▽札幌地裁平成24年3月29日(判時2152・58)

 破産手続開始前に締結された保険契約に基づく抽象的保険金請求権は破産財団に属する財産となるから(破産法34条2項),破産手続開始後に疾病の治療のため病院に入院したことによる生命共済の入院特約に基づく共済金請求権は破産財団に属する財産である。

 

▽東京地裁平成24年1月27日判決(判時2143・101)

 無限連鎖講防止法・出資法に違反する事業を営む会社が破産し,その破産管財人が,事業に参加して金員を得た元会員に対して不当利得返還請求をしたが,民法708条(不法原因給付)によってその請求が棄却された。従前の裁判例には同様の事案で管財人の請求を認めたものがある。なお,大審院判決には,破産管財人が否認権を行使する場合,破産者の行為が不法原因給付に当たる場合でも返還を請求することができるとしたものがある。

 

◎最高裁平成24年10月19日判決(判時2169.9)
  弁護士による債務整理の受任通知後,破産者の給与から控除された弁済に関して, 破産管財人が弁済受領者に対して,否認権を行使した事案。 争点は,破産者代理人が債権者一般に宛てて送付した受任通知(債務に関する具体的内容や 債務整理の方針は記載されていない)が,破産法162条1項1号イ又は同3項の「支払の停止」に当たるか。 判決では,破産者が単なる給与所得者であり広く事業を営む者ではないという本件の事情を考慮した上, 受任通知は,自己破産予定が明示されていなくても,「支払の停止」に当たるとした。 なお,たやすく「支払の停止」が認められることにより,追加融資が差し控えられること等を懸念して 一定規模以上の企業では受任通知により「支払の停止」を肯定することに慎重さが要求される,との補足意見がある。

 

〇東京高裁平成23年11月16日判決(判時2135-56)【確定】 

 競売手続により区分所有建物を買い受け,管理組合に対し,前所有者が滞納した管理費等を支払った買受人が,破産手続を経て免責許可決定を受けた前所有者に対し,求償請求をした事案において,当該区分所有建物が破産財団から放棄された後,買受人がこれを取得するまでに発生した管理費等について求償が認められた事例(「破産管財人が破産手続中にこれを放棄した場合,放棄後に生ずる管理費については,破産法や民事執行法に特別の手当がないため,破産者が義務を負わないとする法律上の根拠に欠け,このため,担保不動産競売手続において買い受けた者が,代位弁済した管理費を求償請求した場合,破産者は,これを支払うべき義務を負うことになる。」)


 

▽東京地裁平成23年10月24日判決(判時2140-23)【確定】

 破産者から過払金返還請求訴訟等の事件を受任した弁護士法人に対する報酬に関して破産管財人による否認権の行使が肯定された事例(「弁護士・・・報酬の支払行為は,その報酬額が客観的にみて高額であっても,破産者と当該弁護士の間では暴利行為に当たらない限り有効というべきである。しかし,破産債権者との関係においては,その金額が,支払の対価である役務の提供と合理的均衡を失する場合,破産者はその合理的均衡を欠く部分については支払義務を負わないといえるから,当該部分の支払行為は,破産法160条3項の「無償行為」に当たり,否認の対象となり得る」

 

▽東京地裁平成23年7月27日(判時2144・99)

①破産会社が賃貸人に対して,保証金を放棄して賃貸借契約を解除することは,無償行為(破産法160条3項)に当たる

②保証金の返還請求権を放棄することにより賃貸借契約を即時解約することができる旨の合意がされたいた場合であっても,破産管財人による賃貸借契約の解除(破産法53条1項)により保証金の返還請求権が消滅しない。

 

〇大阪高裁平成22年4月23日決定(判時2180・54)

 債権差押命令の差押債権者が同命令に基づく取立権を行使する過程で第三債務者から支払の方法として手形を受領した場合,債務者に対し民事再生手続開始決定による強制執行中止後にその手形金の支払を受けたときは,法律上許されない支払受領になるから不当利得に当たる。

 

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