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最近の判例(損害賠償)

〇大阪高裁平成28年10月4日判決(判タ1434-101)

 不動産業者が,不動産売買の仲介に伴って,売主との間でコンサルティング契約を締結し(建物を占有する親族に対する明渡交渉等),仲介手数料40万円,コンサルティング料200万円の支払を受けた事案。判決は,その行為が弁護士法72条に違反し,かつ,不法行為に当たるとして損害賠償請求を認めた。

 

▽東京地裁平成28年3月11日判決(判タ1429-234)

  不貞慰謝料請求事件で,被告が不貞後に破産免責許可決定を受けていた事案。判決は,破産法253条1項2号の「悪意」とは「故意を超えた積極的な害意をいうものと解するのが相当」としたうえで,「被告の不法行為はその違法性の程度が低いとは到底いえない」としながらも,「本件に顕れた一切の事情から窺われる共同不法行為社であるAの行為をも考慮すると,被告が一方的にAを篭略して原告の家庭の平穏を侵害する意図があったとまで認定することはできず,原告に対する積極的な害意があったということはできない」として,慰謝料請求権は非免責債権に該当しないとした。

 

▽東京地裁平成27年11月5日判決(判タ1425-318)【控訴】

 原告らが,被告が建物の庇等の屋外にカメラ4台を設置して原告らを監視しているとして,プライバシー侵害に基づくカメラの撤去及び損害賠償等を請求した事案。判決は,カメラの設置は防犯目的が含まれており,原告らを監視する目的まで認めることはできないが,撮影が常に行われており,原告らの外出や帰宅等という日常生活が常に把握されるという原告らのプライバシー侵害としては看過できない結果となっていること等から,プライバシーの侵害は社会生活上受忍すべき限度を超えているとして,原告ら各自に10万円の慰謝料とカメラの撤去請求を認めた。

 

◎最高裁H27.4.9第1小法廷判決(重判H27-81)

 11歳のAが小学校の校庭でサッカーゴールに向けてフリーキックの練習をしていた際,ボールが道路に転がり出て,バイクで進行してきたB(85歳)がこれを避けようとして転倒し,死亡した事故について,Bの相続人がA及びその親権者に損害賠償請求をした事案。一審,原審が,Aの両親の監督者責任を肯定したのに対して,破棄自判。「責任能力のない親権者は,その直接的な監督下にない子の行動について,人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう日頃から指導監督する義務があると解されるが,本件ゴールに向けたフリーキックの練習は,上記各事実に照らすと,通常は人身に危険が及ぶような行為であるとはいえない。また,親権者の直接的な監視下にない子の行動についての日頃の指導監督は,ある程度一般的なものとならざるを得ないから,通常は人身に危険が及ぶものとは見られない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合は,当該行為について具体的に予見可能であるなど特別の事情が認められない限り,子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきでない。

 
 ▽東京地裁平成26年4月9日判決(判タ1435-235)

 

  税理士法人Xの社員税理士Yが,その在任中に行った新税理士事務所の開設準備行為に関して,多数のXの顧客がYとの間で顧問契約を締結した事実は認められるが,Xの代表社員が高齢で既に第一線を退いていたこと,Yが実務の中心となり顧客との信頼関係を深めていたこと等から,Xの顧客が自由な意思でYと顧問契約を締結したとみることは十分可能であり,Yが顧客に対して顧問契約等を解約して自己が開設する新事務所と顧問契約等を締結するように違法不当な方法で働きかけたとは認められないとして,社員としての任務懈怠,不法行為のいずれにも該当しないとした。
 

〇東京高裁平成25年11月27日判決(判タ1419-85)【確定】

  警視庁が記者会見及びホームページ上で捜査の経過及び結果を説明する場合において,嫌疑不十分により不起訴処分とされ公訴時効も完成して刑事責任を追及できない状態であるのに,犯人性,有罪性を前提とした犯人の断定を伴う説明をすることは,特段の事情のない限り,警察における職務上の義務に反し,これにより団体の社会的評価を低下させたときには,国賠法上1条1項の適用上違法となる(原告に対する賠償額を100万円とした原審の判断は維持したが,謝罪文の交付を認めた原審の判断は取消)。

 

〇東京高裁平成25年8月28日判決(判タ1418-133)【上告・上告受理申立】

  海外のリゾート施設の利用券を内容とする会員権を数倍に値上がりするので転売すれば儲かる等と勧誘されて2520万円を支払ったことについての損害賠償請求。原審は請求棄却。控訴審は,販売を担当した者が,被告A社の従業員であった証拠がないため会社の責任は否定したが,A社の代表取締役,及び,取締役に対する責任を認めた。取締役については,業務執行を監視する義務があり,報酬の支給を受けていなくてもこれを免れないとした。

 

▽岡山地裁平成25年8月27日判決(判タ1417-226)【控訴審】

 コインパーキング式無人駐車場の「不正利用の場合は違約金5万円頂きます」の記載に基づく請求が認められかが問題となった。 判決は,駐車場経営者は,不特定多数の顧客に対して,違約金の定めを含む駐車場の利用契約の申込みをしており,利用者がこれを承諾して契約を締結したものであって,違約金の定めは契約に含まれているとし,違約金の定めをの合意を有効とした。しかし,判決は,弁護士費用5万円の請求については,不法行為と相当因果関係のある損害とは認めなかった(顧問弁護士が恒常的に対応していた等の事情がある)
 

◎最高裁平成25年12月10日第3小法廷判決(判時2211-3)

 死刑確定者又は再審請求弁護人が再審請求に向けた打合せをするために秘密面会の申出をした場合に,これを許さない刑事施設の長の措置は,秘密面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認められ,又は死刑確定者の面会についての意向を踏まえその心情の安定を把握する必要性が高いと認められるなど特段の事情がない限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して死刑確定者の秘密面会を刷る利益を侵害するだけではなく,再審請求弁護人の固有の秘密面会をする利益も侵害するものとして,国家賠償法1条1の適用上違法となる。

 

▽東京地裁平成25年10月29日判決(判時2211-54)

 銀行が共同相続人の一人による貯金の払戻請求を拒否したことが不法行為に当たらないとされた事例(「金銭債務の履行の拒絶が不法行為となるのは,例えば,履行が容易であるにもかかわらず,履行しなければ債権者に多大な損害を与えることを知りながら,債権者に害をなすことを主たる目的として履行を拒否したような場合など,履行拒絶行為が公序良俗に違反する態様でされたというべき特段の事情が認められる例外的な場合に限られる」)

 

▽名古屋地裁平成25年8月9日判決(判時2202-68)【控訴】

 在宅介護を受けていた認知症の高齢者が列車に衝突し鉄道会社に損害を与えたことにつき,同人の長男について監督者に代わる監督義務違反(民法714条2項の類推適用)に基づき,同人の妻について民法709条に基づき(妻は目を離さずに見守ることを怠った過失を認定),損害賠償責任(振替輸送費等約719万円)が認められた事例(長男は認知症の症状が進行し徘徊があったのに,家族会議で特養に入所させず在宅介護に決定したにもかかわらず,これに必要な措置を講じなかった等と判示,なお,長男の経済状態に余裕があって介護施設やホームヘルパーを利用することができたことも認定されている。)

 

▽神戸地裁平成25年7月4日判決(判時2197-84)【控訴】

 少年(当時小5)が自転車を運転中に歩行者に衝突させ,歩行者が脳挫傷等で意識不明の重態になった事故について,少年には責任能力がなく,親権者である母が監督義務者として民法714条1項により損害賠償責任を負うとされた事例(被害者に約3520万円,人傷保険金を支払った保険会社に約5999万円)

 

〇大阪高裁平成25年5月30日判決(判時2202-21)【確定】

 市の設置・管理する歩車道の区別のない片側一車線の市道を原動機付自転車を運転して走行中,同市道の北側に設けられた暗渠化された排水施設の上部を覆うコンクリート部分とこれに接するアスファルトで舗装された部分との間に生じていた段差(高低差約4.7cm)にハンドルを取られ,路外に設けられたブロック塀に衝突して転倒し傷害を負った場合に,段差の存在は市道の設置管理の瑕疵にあたるとして,国賠法2条1項に基づく損害賠償請求が認容された事例(損害回避義務として過失相殺20%)

 

▽東京地裁平成25年5月14日判決(判時2197-49)【控訴】

 マンションの専有部分の賃借人側の居住者Aがマンション内を通行中,他の専有部分の賃借人側の居住者Yの飼育に係るドーベルマンに咬まれて負傷し,その後,被害を受けた居住者A,賃借人が退去した場合において,飼育者Yの被害者側(A)の賃貸人Xに対する間接損害である賃料収入の逸失利益(Xは約5220万円を請求)につき,民法718条1項,709条の各損害賠償責任が否定され(動物の加害の対象は原告ではない,被告らの不作為は原告の賃料債権等を喪失させる定型的な危険を伴うものでなく具体的な注意義務違反を基礎づけできない),間接損害である解約違約金につき民法424条の類推適用により損害賠償責任が肯定された事例(解約予告期間及び解約違約金条項によって本来保全されている2カ月分の賃料収入350万円等)

 

▽東京地裁平成25年4月25日判決(判時2199-31)【確定】

 遺体保管所の営業に対する近隣住民の反対運動が不法行為を構成しないと判断された事例(一定の営業活動に対して近隣住民が反対運動を行う場合,それが近隣住民の生活環境の維持等の目的のために実力行使を伴わずに平和的に行われる限り許容され,具体的事情に応じ,住民運動の方法や程度,住民運動により相手方が受けた不利益,住民運動に至る経緯等の諸事情を総合勘案して,社会的相当性を逸脱するものでない限り違法性を有しない旨判示)。

 

▽岡山地裁平成25年3月14日判決(判時2196-99)【確定】

 75歳の女性客がショッピングセンターのアイスクリーム売場で転倒受傷した事故について,「不特定多数の者を呼び寄せて社会的接触に入った当事者間の信義則上の義務として・・・その安全を図る義務がある」としてSC運営会社の不法行為責任を認め,約862万円(関節機能障害12級)の損害賠償が認められた事例(過失相殺20%)

 

▽さいたま地裁平成25年2月20日判決(判時2196-88)【確定】

 市の福祉事務所職員におる生活保護申請の不受理,開始決定後の不履行,生活保護申請の自粛勧告が違法であるとして,市の責任が認められた事例(生活保護の開始を受けられたであろう日から実施の保護開始日までの生活保護費相当額約433万円,亡世帯主の慰謝料20万円(但し配偶者が主に直接市職員と対応),亡世帯主の配偶者の慰謝料40万円等)

 

▽松山地裁今治支部平成24年8月23日判決(判時2173-111)【控訴】

 漁業協同組合が会計担当者Cにより現金を横領(2780万円の損害)されたことにつき,同組合の代表理事に善管注意義務違反及び忠実義務違反があったとして,同組合が同代表理事に対してした水産業協同組合法39条の6第1項に基づく損害賠償請求(2780万円)が認められた事例

 

▽大阪地裁平成24年6月14日判決(判時2158-84)【確定】

 犯罪被害者等保護の目的を有する被害者等通知制度に反して,検察庁が被害者に加害者の刑事公判期日を通知しなかったとして,被害者が求めた国家賠償請求が認容された事例(慰謝料5万円)

 

〇大阪高裁平成24年6月7日判決(判時2158-50)【上告】

 小学生が校庭で蹴ったサッカーボールが道路に飛び出し,これを避けようとして転倒して受傷し死亡したバイク運転中の高齢者の事故につき,小学生(当時11歳)の両親の監督者責任が認容された事例。ただし,校庭からボールが飛び出すのは珍しくなく,注意しながら走行すべきであったとして3割の過失相殺をし,かつ,既往症を斟酌して5割を減額し,1180万円の限度で認容した。

 

〇名古屋高裁平成24年5月11日判決(判時2163-10)【確定】

 市議会において,がんで声帯を切除した議員に対し代読による発言の要請を認めなかったことは議員の発言の権利や自由を侵害する違法な行為であったとして,議員の基本的権利を侵害し精神的苦痛を与えるものであるとして,300万円の慰謝料が認容された事例(第一審が認めた慰謝料は10万円)

 

◎最高裁平成24年2月24日判決(判時2144・89)

 労働者が,使用者の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償を請求するため訴えを提起することを余儀なくされ,訴訟追行を弁護士に委任した場合には,その弁護士費用は,事案の難易,請求額,認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り,安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害にあたる

 

▽京都地裁平成24年1月12日判決(判時2165-106)【確定】

 電気通信事業者が消費者と締結した携帯電話を利用する電気通信役務提供契約中のインターネット通信サービスの利用料が予想外の高額となったことにつき,利用する消費者に対し,その支払料金拡大防止のための通知等による注意喚起をする義務を怠ったとして,消費者に対する債務不履行による損害賠償責任が一部認められた事例(過失相殺3割)

 

〇大阪高裁平成23年10月26日判決(判時2137・51)

  強制わいせつ罪で起訴され,無罪が確定した者が,国家賠償請求をした事案において,担当検察官には,本件公訴提起にあたっての判断については,個別の証拠及び証拠の総合評価を誤り,客観的,合理的な根拠を欠いた起訴を行ったと言わざる得ないとし,担当検察官の過失を認めた上で,公訴された犯罪の性質,原告が会社の実質的代表者であったこと等を考慮し,慰謝料300万円等が認められた事例

 

▽京都地裁平成23年11月30日判決(判時2137・100)

   生活保護受給者が,違法に生活保護廃止を受けたとして国家賠償請求をした事案において,生活保護が廃止されなければ受給できていた保護費345.6万円,慰謝料30万円等が認められた事例

 

▽岡山地裁平成23年7月19日判決(判時2126-95)

 夜間自転車を運転し市道を走行中の大学生が,遊歩道に下る階段に気付かず転落し,用水路で溺死した事故について,市及び県に対し,市道,階段,遊歩道,用水路等の諸施設の設置・管理に瑕疵(用水路への転落防護柵や照明設備もなかった)があるとして,国家賠償責任が認められた事例(過失相殺4割)

 

▽大阪地裁平成23年5月13日判決(判時2127-64)【控訴】

 フランチャイズによって被害を受けたと主張するフランチャイジーらの事件を受任した弁護団の団長(弁護士)が,問い合わせをしてきたフランチャイジーに説明文書を交付したり,フランチャイザーを批判する訴状を陳述したこと等について名誉棄損等が問題になった事案において,判決は,文書中の文言は原告らが組織的に故意に詐欺行為を行っているとの印象を与え,名誉棄損のおそれのある記載であるとしつつ,送付した範囲,趣旨から,文書を送付する方法で訴訟を提起する原告を募った行為は弁護士としての職務として目的・手段ともに相当であり,正当行為として違法性が阻却されるとし,原告らの請求を棄却した。

 

▽大阪地裁平成23年3月28日判決(判時2143・105)

 公立中学校の教員らが女子生徒の頭髪を染色した行為について,国家賠償責任が否定された事例

 

▽東京地裁平成22年7月30日判決(判時2118・45)

ワインの独占的輸入・販売を内容とする販売代理店契約を長期(18年)にわたって継続したのに対して,4ヶ月の予告期間をもって解約したのは契約上の義務違反に当たるとして,原告会社の8ヵ月分の純利益に相当する約590万円の損害賠償請求を認めた事例

 

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