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最近の判例(民法関連)

◎最高裁平成29年1月31日第3小法廷決定(判タ1434-48)

 信用保証協会が,主債務者が中小企業者の実態を有しないことが判明したため,金融機関に対して,要素の錯誤を主張して代位弁済金の不当利得返還請求をした事案。決定は,本件事情の下では(融資のポロ同士等),動機が表示されていたとしても,当事者の意思解釈上,保証契約の内容となっていたとは認められず,意思表示に要素の錯誤はないとした。

 

〇東京地裁平成27年4月10日判決(判タ1421-229)

自動車による通行を前提とする通行地役権の黙示の設定合意を認めるとともに,承役地の譲渡は法人格を利用した形式的なものであるとして,承役地の譲受人も通行地役権の設定合意による拘束を受けるとした事例

 

◎最高裁平成27年11月19日第1小法廷判決(判タ1421-109)

 保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じない。

 

◎最高裁平成25年9月13日第2小法廷判決(判時2209-102,判タ1397-92

 保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有する(一審,原審は,催告書の表記や金融機関の内部処理が保証人からの支払となっていることを指摘して,被告による弁済を保証債務の弁済であると認定し,これが主債務の承認に当たらないとして,主債務の時効消滅を認めた)

 

▽東京地裁平成25年6月6日判決(判時2207-50)【確定】 

 商人間で売買された中古車が盗難車であることが判明し,買主が損害賠償請求をした事案において,①商法526条2項の「瑕疵」には権利の瑕疵まで含むと解することは困難,②被告の錯誤無効の抗弁について,他人物売買の買主が売主に対して民法561条の責任を追及したのに対して売主が錯誤無効の主張をすることは同条の潜脱になり許されない,と判時した事例。

 

▽京都地裁平成25年5月23日判決(判時2199-52)【確定】

 16歳の少年がキャバクラで大人びた態度で平然と飲酒遊興した場合であっても(18日間に642万円をカードで決済),民法21条にいう「詐術を用いたとき」に当たらないとして,民法5条2項に基づく取消しが認められ,かつ,その一部については,健全な風俗を阻害するか,または,少年の思慮不足に乗じた暴利行為に該当するとし,未成年者とキャバクラ店のキャバクラ接客契約それ自体が公序良俗に反し無効であるとされ,さらに,未成年者が父親のクレジットカードを窃取して遊興代金を決済していた部分について,信販会社の父親に対する利用代金の支払請求の一部が権利の濫用に当たるとされた事例

〇東京高裁平成25年4月24日判決(判時2198-67)【確定】

 区営住宅の賃貸借契約の連帯保証人に対する滞納使用料等の請求の一部が信義則に反し権利濫用になるとされた事例(延滞使用料等が2年以上に及んでいた時点で保証債務額が拡大する事態を防止するため速やかに訴訟を提起すべきであった等,約635万円の請求に対して約158万円の限度で認容した原審を維持)

 

◎最三判平成25年4月9日(判時2187-26)

 被告は,建物の1階部分を賃借して店舗を営み,同建物の所有者の承諾の下に1階外壁等に看板等を設置していたが,建物を譲り受けた原告が所有権に基づき建物明渡等を請求した事案。原判決は,本件建物部分の賃借権には看板等の設置権限は含まれないとして,看板等の撤去請求のみ認めたが,最高裁は,建物部分との社会通念上の一体性,営業継続が著しく困難になること,原告に本件看板等の設置個所の具体的な使用目的もないこと等から,看板等の撤去を求めることは権利の濫用に当たるとした。

 

◎最一判平成25年2月28日(判時2182-55)

 貸金返還債務(受働債権)に対して,消滅時効を援用された過払金返還請求権(自働債権)をもって相殺の主張を行った事案において,原審は,貸金債務について,債務者は期限の利益を放棄しさえすれば相殺することができたとの理由で相殺を認めたが,最高裁は,相殺適状の要件として,受働債権について,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,その弁済期が現実に到来していることを要すると判断した。また,時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするためには,消滅時効が援用された自働債権は,その消滅時効期間が経過する以前に受動債権と相殺適状にあったことを要すると判断した。

 

◎最高裁平成25年2月26日判決(判時2192-27) 

 通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において,最先順位の抵当権の設定時に,既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置,形状,構造等の物理的状況から客観的に明らかであり,かつ,上記抵当権の抵当権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは,特段の事情のない限り,登記がなくとも,通行地役権は上記の売却によっては消滅せず,通行地役権者は,買受人に対し,当該通行地役権を主張することができる。                                                                                               

 

◎最高裁平成24年10月12日第2小法廷判決(判タ1388-109)

 サービサーXが,Aが所有していた不動産を新設分割によりYに承継させたことが詐害行為に当たるとして,Yにその取消と不動産の所有権移転登記抹消登記手続を求めた事案。株式会社を設立する新設分割がされた場合において,新設分割設立株式会社にその債権に係る債務が承継されず,新設分割について異議を述べることもできない新設分割株式会社の債権者は,民法424条の規定により,詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができる。

 

〇東京高裁平成24年2月29日(判時2143-89)

 NHKの放送受信料債権は,放送受信契約という基本契約に基づく支分権であり,受信規約のとおり,月額が定められ,2カ月ごとに支払をなす金銭債権であるから,民法169条の適用される定期金債権として5年の消滅時効にかかる

 

〇東京高裁平成23年12月26日(判時2142-31)

 借入債務の連帯保証をした者が,債権者との間で,年利21.9%の遅延損害金の支払義務があることを認める和解をした場合,その和解契約については,消費者契約法9条2号の適用によって遅延損害金の上限が14.6%になるのではなく,同法11条2項により,利息制限法4条1項の適用があると判断された事例

 

◎最高裁平成23年10月25日第3小法廷判決(判時2133-9)

 個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合であっても,販売業者とあっせん業者との関係,販売業者の立替払契約締結手続への関与の内容及び程度,販売業者の公序良俗に反する行為についてのあっせん業者の認識の有無及び程度等に照らし,販売業者による公序良俗に反する行為の結果をあっせん業者に帰せしめ,売買契約と一体的に立替払契約についてもその効力を否定することを信義則上相当とする特段の事情があるときでない限り,売買契約と別個の契約である購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となる余地はない。

 

 

 

 

 

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