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最近の判例(離婚・親族・財産分与)

◎最高裁H29.1.31判決(判タ1435-95)

【養子縁組】 原審が,本件養子縁組は専ら相続税の節税のためにされたものであるとした上で,かかる場合は民法802条1号の「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとしたのに対し,本判決は,専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできないとした。

 

◎最高裁H29.1.31判決(判タ1436-97)

【養育費・不動産仮差押】 支払期限の到来している未履行の養育費がある場合において,支払期限の到来していない養育費を被保全債権として,債務者所有の不動産に仮差押命令の申立てをしたが,民事保全制度を利用する必要性(権利保護の利益)を欠くとして申立てが却下された原審の判断が是認された事例(反対意見あり)

 

〇東京高裁H28.9.14決定(判タ1436-113【確定】

 

【養育費】 養育費の支払義務者の総収入が4000万円程度の場合において,基礎収入を算定するに当たっては,税金及び社会保険料の各実額,職業費並びに特別経費に加え,貯蓄分を控除すべきであるとした事例(婚姻費用月額20万円。なお,義務者が大学生の子2人を養育している。)

 

 

〇大阪高裁H28.8.31決定(判タ1435-169【確定】

【面会交流】 離婚時に子どもと二度と会わないとの誓約書が作成されていた事案。元夫が再婚し,子が再婚相手と養子縁組をして,新しい家庭を構築する途上にあるとしても,実母と子との面会交流を認めることは未成年者らの福祉に適うとして面会交流を認めた事例

 

〇東京高裁H28.4.26決定(判タ1434-131)【確定】

【面会交流】 非監護親と未成年者らとの交流が5年以上途絶えていた事案。原審は,月1回・6時間の面会交流を認めたが,本決定は,月1回・最初の3ヶ月は2時間,次の4ヶ月は4時間,それ以降は6時間と段階的に面会時間を伸ばし,最初の2回は監護親の立会を認める内容で面会交流を認めた。


 

〇大阪高裁H28.3.17決定(判タ1433-126)【確定】

【婚姻費用】 相手方の不貞行為を認定し,別居の原因は主として又は専ら相手方にあるとした上で,相手方からの婚姻費用分担請求は,信義則あるいは権利濫用の見地から,子らの養育費相当分に限って認めれるべきとした(ただし,本決定は,不貞関係があったからといって,直ちに婚姻費用分担請求が信義に反しあるいは権利濫用に当たると評価することはできないとしている)。

 

〇東京高裁H28.5.25判決(判タ1432-97)【確定】

【婚姻破綻】 10年の同居後に妻が子を連れて別居して離婚を求めた事案。原審は,同居期間に比べて別居期間が3年5ヵ月間と短い等として離婚請求を棄却したが,本判決は,別居期間が4年10ヶ月と長期にわたっていると評価したうえで,夫から修復に向けた具体的な働きかけがないこと,妻の離婚意思が強固であること,夫の修復意思が強いと言い難いことから,婚姻関係は既に破綻していて回復の見込みがないと判示した。

 

▽大阪家裁H28.2.1決定(判タ1430-250)【確定】

【面会交流】 未成年者が面会交流の場に行くことを嫌がったために,面会交流の義務を履行しなかったこと事案において,過去の試行的面会交流の状況や家裁調査官の報告書を考慮して,今後,債務者が未成年者に対して適切な指導助言をすることにより,未成年者の福祉を害することなく義務を履行することが可能であるなどとして,間接強制金(不履行1回につき4万円)の支払を定めた事例(ただし,債権者から債務者への婚姻費用分担金は月額15万円)

 

 〇東京高裁H28.1.19決定(判タ1429-129)【差戻】

【養育費】 「養育費は,当事者が現に得ている実収入に基づき算定するのが原則であり,義務者が無職であったり,低額の収入しか得ていない時は,就労が制限される客観的,合理的事情がないのに単に労働意欲を欠いているなどの主観的な事情によって本来の稼働能力を発揮しておらず,そのことが養育費の分担における権利者との関係で公平に反すると評価される場合に初めて,義務者が本来の稼働能力(潜在的稼働能力)を発揮したとしたら得られるであろう収入を諸般の事情から推認し,これを養育費算定の基礎とすることが許されるべきである。」

 

〇名古屋高裁H28.2.19決定(判タ1427-116)【確定】

【婚姻費用】 婚姻費用分担額を定めた調停の成立後,交際していた2人の女性との間に合計3人の子どもが出生したことを理由に,妻に対して婚費の減額を求めた事案。原審は,「非嫡出子に対する扶養義務を果たすために相手方に対する婚姻費用の減額を認めることは,申立人の不貞行為を助長ないし追認するも同然であり,信義誠実の原則に照らし,認められない」として申立てを却下した。これに対し,本決定は,「(非嫡出子らは申立人から)等しく扶養を受ける権利を有する」として,前件調停成立後に扶養義務を負う未成年の子の数に変更が生じたことは「事情の変更」に当たるとして,婚姻費用を減額した。

 

▽東京家裁H27.8.13審判(判タ1431-248)【確定】

【婚姻費用】 相手方が支払った申立人の居宅の住宅ローンの支払額の一部に相当する額を婚姻費用の分担額から控除した事案(ただし,算定表上の婚姻費用8~10万円程度の事案で,住宅ローンを約6~9万円支払っていた時期は3万円を控除し,住宅ローン約5万円を支払っていた時期は1万円を控除したに留まっている)。

 

 〇大阪高裁H27.4.22決定(判タ1424-126)【確定】

【養育費】 私立大学に進学した子の学費(年85万円)の負担について原審の審判を変更した事例。原審は,月額の学費5万1000円を算定表の結果に上乗せしたが,本決定は,進学の経緯等から国立大学の授業料年53万円を前提とし,算定表が学習費用年33万円を考慮しているこから,これを超える学費分を子も含めて3分の1にした金額(月9000円)の限度で算定表の結果である養育費に上乗せした。

 

▽東京家裁H27.6.17審判(判タ1424-346)【確定】

【婚姻費用】婚姻費用分担金の支払を定めるにあたり,夫が支払った妻が居住していた自宅の住宅ローンの支払を考慮した事例。本審判では,妻の月額収入16万円に相当する住居関係費が2万7940円であるため(算定表の資料2・年間収入階級別1世帯当たり平均1か月間の収入と支出),同額を控除した。

 

〇東京高裁平成27年9月17日決定(判タ1423-189)

特別養子縁組】 原審が,未成年者と実母との身分関係の存続が未成年者の養育監護にとって障害となっているわけではない等として,民法817条の7の「子の利益のために特に必要がある」と認められないとして,特別養子縁組の申立てを却下したのに対して,抗告審が原審判を取り消して,認容した事例。

 

 〇福岡高裁平成27年1月30日決定(判タ1420-102)

親権者変更】 原審が親権者指定後の事情の変更がないとして親権者変更の申立てを却下したが,本決定は,親権者変更の必要性は,親権者を指定した経緯,その後の事情の変更の有無と共に当事者双方の監護能力監護の安定性等を具体的に考慮して,最終的には子の利益のための必要性の有無という観点から決せられるべき,として原審判を取り消した事例。

 

〇東京高裁平成26年10月2日決定(判タ1419-177)

【氏の変更】 抗告人(女性)は,離婚時に婚氏を続称したが,その後15年以上経って婚姻前の氏に変更の許可を求めた事案。原審は申立を却下したが,本決定は,①婚氏続称の理由が当時9歳の長男のためで,その子が大学を卒業したこと,②婚姻前の氏の両親と同居し,その氏を含む屋号で近所付き合いをしてきたこと,③抗告人が両親を継ぐと認識されていること,④長男が氏の変更に同意していることから,戸籍法107条1項の「やむを得ない事由」があると認めた。

 

△大阪家裁平成26年8月15日決定(判タ1418-395)

【監護権】 夫と別居している妻が子ども(審判時8歳と9歳)の監護者指定を申し立てた事案。しかし,現状,夫婦がほぼ同じ程度に未成年者らの監護養育をしており(自宅近くの実家で寝泊まりする妻が,仕事後に自宅で子らの食事を作って実家に帰り,その後に夫が自宅に帰るといった状況),夫の監護養育に大きな問題は認められず,現在の共同監護のような状態はそれなりに安定している等として申立てを却下した。

 

◎最高裁平成26年4月14日決定(判タ1417-71)

 【戸籍】未成年者Aの実父が,Aの親権者を実母及びその養父から変更する審判に基づき市に届出をしたところ,市は同審判が民法819条6項の法令違反であることを理由に届出を不受理とした事案。本決定は,「戸籍事務管掌者は,親権者変更の確定審判に基づく戸籍の届出について,当該審判が無効であるためその判断内容に係る効力が生じない場合を除き,当該審判の法令違反を理由に届出を不受理とする処分をすることができない」とした。

 

〇大阪高裁平成26年8月27日決定(判タ1417-120)

【婚姻費用】 別居中の妻が夫(抗告人)に対して婚姻費用を請求した事案。夫の年収は約1300万円,妻の年収は約360万円,子ども2人を妻が監護中,上の子は私立高校生で年授業料約90万円,標準的算定方式によった場合婚姻費用は22~24万円となる。本判決は,私立高校の学費等の超過教育関係費の分担について,これまで一般的には用いられてきた基礎収入比案分処理を採用せず,抗告人と相手方の負担を2分の1ずつとして,婚姻費用分担額を25万円とした。

 

〇札幌高裁平成26年7月2日決定(判タ1417-127)

【扶養料】母親(抗告人)が子に扶養料 の請求をした事案。子の月収は約300万円で月支出は190万円,母親の月収は年金7万円。本判決は,扶養料の額は「抗告人の必要とする自己の平均的生活を維持するために必要である最低生活費から抗告人の収入を差し引いた額を超えず,かつ,被抗告人の扶養余力の範囲内の金額が相当である」とした上で,総務省統計局の家計調査報告によれば,単身世帯の65歳以上の消費支出は月額14万9397円であり,抗告人の非消費支出は国民健康保険税等3万8500円であり,その合計は18万7897円であることから,これから年金収入を差し引いた上で一切の事情を考慮して,扶養料を月額11万円とした【原審は9万円】。

 

◎最高裁平成25年12月10日第3小法廷判決(判時2210-29)

【親子】 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項に基づき性別の取扱の変更の審判を受けた者については,妻との性的関係によって子をもうけることはおよそ想定できないものの,一方でそのような者に婚姻を認めながら,他方で,その主要な効果である同条による嫡出の推定についての規定の適用を,妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に認めないとすることは許されない。

 

〇東京高裁平成25年9月26日決定(判タ1421-137)〔確定〕

 【面 会交流】 父母間で面会交流の内容や条件を任意の協議の上自律的に決定することを可能とするまでの信頼関係が形成されていないことからすると,裁判所にお いて,面会交流の頻度,日時,場所,態様等について具体的に決定する必要があるとして,概括的に面会交流を許した原審判を審理不尽として原審に差し戻した 事例。

 

◎最高裁平成25年3月28日第1小法廷判決(判時2191-39~) 

【面会交流】 ① 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,間接強制決定をすることができる。

② 1ヶ月に2回,土曜日又は日曜日に面会交流をするものとし,また,1回につき6時間面会交流をする旨は面会交流の頻度や各回の面会交流の時間の長さが定められているといえるが,引渡しの方法について何ら定めがない場合には,相手方がすべき給付が十分に特定されているとはいえないから,間接強制決定をすることはできない。

③ 面会交流をすることを「認める」との文言の使用によって直ちに相手方の給付の意思が表示されていないとするのは相当ではない。面会交流の頻度について「2ヶ月に1回程度」,各回の面会交流の時間の長さについて「半日程度(原則として午前11時から午後5時まで)」としつつも「最初は1時間程度から始めることとし,長男の様子を見ながら徐々に時間を延ばすこととする」とするなど,必ずしも特定しておらず,相手方がすべき給付が十分に特定されているとはいえないから,間接強制決定をすることはできない。

 

△佐賀地裁平成25年2月14日判決(判時2182・119)

【不貞慰謝料】 結婚の約4ヵ月後,妻が,夫が結婚の約1年前の婚約後に他の女性と男女関係を継続していたことを知り,夫に対して損害賠償請求をしたところ,新居生活のための費用,結婚式費用の他,慰謝料200万円が認められた事例。婚約当事者間に「守操義務」を認めた点が参考となる。

 

△東京地裁平成24年12月27日判決

【財産分与】 離婚判決後,元夫が元妻に対して建物明渡と使用料相当損害金を求めた事案。離婚訴訟の際,不動産はオーバーローンのために財産分与の対象とされていなかった点に特徴がある。裁判所は,元妻が住宅ローンを1000万円以上支払・負担したものと評価し,共有状態にあると認定したうえで,元夫の明渡請求を棄却した。使用料相当損害金月額10万円認められた。

 

〇東京高裁平成24年10月18日決定(判時2164-55)

【子の引渡し】 審判前の保全処分として未成年者の引渡しを命じる場合の判断基準について,監護者が未成年者を監護するに至った原因が強制的な奪取又はそれに準じたものであるかどうか,虐待の防止,生育環境の急激な悪化の回避,その他の未成年者の福祉のために未成年者の引渡しを命じることが必要であるかどうか,及び本案の審判の確定を待つことによって未成年者の福祉に反する事態を招くおそれがあるといえるかどうかについて審理し,これらの事情と未成年者をめぐるその他の事情とを総合的に検討した上で,審判前の保全処分により未成年者について引渡しの強制執行がされてもやむを得ないと考えられるような必要性があることを要する,とした。

 

〇大阪高裁平成23年11月15日決定(判時2154・75)

【内縁・財産分与】 内縁関係が解消された後,財産分与の審判手続中に分与義務者が死亡した場合,財産分与義務は相続の対象となる。

 

△名古屋地裁平成23年2月25日判決(判時2118・66)

【内縁】 亡Aと重婚的内縁関係にあり,亡A名義の建物に居住していたYに対して,Aの相続人が建物明渡請求をした事案において,Aの死亡後は当然Yが本件建物を単独で無償使用する旨の合意が黙示に成立していたものと認めた事例

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