最近の判例(刑事)
◎最二判平成24年11月6日(判時2187・142)
先行者A,Bが被害者C,Dに暴行を加えて傷害を負わせた後,被告人が共謀加担し,それ以前よりも共同の暴行を加えて被害者らの傷害を相当程度重症化させたという事案において,原判決は,被告人に共謀加担前のA,Bの暴行による傷害を含めた全体について承継的共同正犯の責任を負うとしたが,最高裁は,共謀加担前にA,Bが既に生じさせた傷害結果については,被告人の共謀及びそれに基づく行為がこれと因果関係を有することはないから,傷害罪の共同正犯としての責任を負うことはなく,共謀加担後の傷害を引き起こすに足りる暴行によってC,Dの傷害の発生に寄与したことについてのみ,傷害罪の共同正犯としての責任を負う,とした。
▽津地裁平成23年7月7日判決(判時2123-113)【確定】
被告人との接見禁止の対象となっていない母親の面接申出の拒否は違法であるとして,慰謝料3万円が認められた事例(面会の拒絶から2日後には面会が実現できた)
〇福岡高裁平成23年7月1日判決(判時2127-2)
担当検事が被疑者から弁護人との接見内容を聴取し,これを調書化して証拠調べ請求したことは違法であるとして,接見行為の聴取行為について40万円,供述調書の証拠調べ請求につき10万円の慰謝料が認められた事例